事業の歩みと未来


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事業の歩みと未来について事業の歩みと未来について

創業(はじまり)

鎌倉紅谷は、和菓子職人の初代(祖父)と洋菓子職人の二代目(父)が1954年に、現在の本店と同じ地に創業したのが始まりです。

和洋それぞれの職人が一緒に創業したということもあり、饅頭とケーキが同じショーケースの中に並ぶという、一風変わったお菓子屋だったようです。現在の鎌倉紅谷の“和”にも“洋”にもとらわれないお菓子自体の魅力を自由に探求する土壌は、和洋の職人たちが共存していた創業当初からすでにあったのかも知れません。

働く誇りについて

店の奥で創業者たちが菓子をつくり、店番は祖母。自分たちで作ったお菓子を自分たちで包装し、店頭にならべ、自分たちで注文を受けたり、配達したり。
当時はとにかくすべてを創業者たちが行っていました。しかしありがたいことに少しずつ評判が広がり、お客様から喜んでいただいたりご利用いただいたりする機会が増え、徐々に仕事が忙しくなるにつれて、創業者たちだけでは仕事が立ち行かなくなり、お菓子作りを手伝ってくれる職人さんを加え、それでも回らないから今度は包装梱包をしてくれる人を加え、配達してくれる人を加え…と、創業者からの役割分担として徐々に人を増やしながら鎌倉紅谷は今日まで事業成長をして参りました。

こうして考えると、私たちはどんな役割であろうとも、逆算すれば創業者がやっていた仕事と同じ仕事をしていると言えるのではないかと思います。どんな仕事でも、役割でも、職位でもそれは変わりません。だからこそ共に働く仲間たちには誇りを持って勤めてほしい。

ここから始まる長い文章も、一番伝えたいことはこれに尽きます。

《創業当時の本店と創業者(現社長父)》

暗中模索のブランド戦略

鎌倉紅谷は間もなく創業70年を迎えます。鎌倉紅谷が今日まで継続的に成長することが出来たのも多くのお客様・ファンの皆さまはもちろん、お取組み先様や協力企業様、そして、日々経営理念やビジョンの実現に向けて、同じゴールを目指し尽力してくれている仲間たちのおかげです。

今でこそ「ブランディング戦略」などと偉そうに語っていますが、私が事業承継をした15年前の当時は「ブランディング」などという言葉など意識せず、戦略といった戦略を決めることもなく、ただ必死に「鎌倉紅谷のお菓子が秘めている魅力を最大限に引き出して、正しく知ってもらうためにはどうしたらいいか」「少しでも多くのお客様に喜んでいただくにはどうしたらいいか」「会社をより良くするにはどこを改善すればよいか」ということばかりを考え、挑戦し続けていました。

《ブランドリニューアル前の包装紙と本店内外装》

人のマネジメントも、品質管理も、営業活動も、設備管理も、労務管理も財務管理も、もちろんブランディングも。とにかくすべて暗中模索で五里霧中の日々。

「なんとかなる!」という根拠のない自信と、「失敗したらどうしよう…」という漠然とした不安が常に心に入り混じりながらも、とにかく一歩一歩進んでまいりました。
思うように前に進めなかったり、時には後戻りさせられてしまったり、たくさんの悔しい思いや失敗を繰り返しました。その一方で自分自身が驕り高ぶり、調子に乗っていた時期もありました。それでもここまで鎌倉紅谷が成長することが出来たのは、多くの方々に支えられ、叱咤激励をいただけていたからに他なりません。本当にありがたく、幸せなことであり、感謝の気持ちでいっぱいです。

鎌倉紅谷 事業成長の歩み

ここで初めて鎌倉紅谷の過去17年間の売上推移グラフを公開します。今までは社内のみ、もしくは私が登壇させていただいた経営セミナーの場のみでした。

公開する理由はふたつあります。ひとつ目は、求職者の皆さんにとって企業の選択をするにあたりその企業がどのような売上で推移しているかは重要な判断材料のひとつであると考えるからです。もちろん、“伸びているからいい”、“低迷しているからだめ”と安直に判断するべきではありません。伸びていても利益ベースでは減益かもしれませんし、低迷していても堅実な未来戦略を描いていてこれから伸びるのかも知れません。ただやはり売上推移が求職者の方にとって重要な情報のひとつではあると考えます。

もうひとつは、私の事業承継から15年という経営人生節目のタイミングで、自分と自社の歩みをメディアなどのフィルターを通してではなく、一度きちんと自分の言葉で、自社サイトからの発信で、“鎌倉紅谷で働くことに興味を持ってくれた方たち”に直接伝えたいと思ったからです。

自分たちの努力の形跡であり、関わってくれている方たちの支えの証である売上推移を共有することで、私たちの歩みを断片的にでも知って頂き、私たちの未来に希望を持ち、共にチャレンジしたいと思ってくれる方との出会いの機会を増やしたいと考えています。
ここからは売上推移グラフに沿って簡単に事業の歩みを紹介していきます。

ブランドリニューアルと
幸浦工場

私が社長に就任したのが2008年。それ以降、副社長である妻と共に取り組んだブランディング戦略や組織づくりや前述した多くの支えによって、この15年で鎌倉紅谷は大きな成長を果たすことが出来ました。
2008年に手掛けた最初のブランドリニューアルでイメージを一新したことにより、女性ファンの支持を少しずつ得ることが出来るようになり、クルミッ子を中心に生産が追い付かない状態が徐々に発生するようになり、これらの状況に数年当時の小規模工場で耐えながら同時並行で工場用地探しを2年ほど行い、2015年に横浜市金沢区の工業団地についに本格的な製菓工場である幸浦工場を立ち上げ、生産量を飛躍的に拡大させることが出来ました。
建築工事がようやく始まったと思った矢先に建築会社が倒産するという衝撃に襲われるなど本当に紆余曲折ありました。

《建築中の幸浦工場と完成写真》

更なる増産とブランド価値向上を目指して

幸浦工場稼働後も、ありがたいことにお客様からのご要望はとどまることがなく、幸浦工場の立ち上げに安心したのもつかの間、徐々に幸浦工場も手狭となり、同じ建物内にあった物流部門を引っ越して生産スペースを増やし、更にはオフィススペースを引っ越して生産スペースを増やし、幸浦工場内で出来る限りクルミッ子生産量を増やしてきました。

これらの対応は同時に、物流センターの立ち上げや、横浜オフィスの立ち上げなどにつながる事業成長の可能性をより高めてくれる出来事でもありました。

そして2018年には2回目のブランドリニューアルを実施。1回目のブランドリニューアルから10年が経過したこと、事業規模も当時から大きく成長し、働く人の人数も大幅に増えたことから、働く仲間たちの鎌倉紅谷ブランドに対する足並みを揃えることも狙い、再リニューアルを行い現在のブランドロゴや包装紙、本店内装などに至ります。

その後も変わらずクルミッ子生産数が追い付かない状況は続いており、生産拠点増設についての議論も社内で交わされていたちょうどそんなときに、横浜ハンマーヘッド建築のご案内と共に出店のご依頼を頂き、クルミッ子ファクトリーという念願だった見学のできる工場をコンセプトに新たな生産拠点としてのプロジェクトがスタートし、2019年秋にクルミッ子ファクトリーがオープンしました。

コロナ禍における挑戦と成長

華々しくオープンを飾った横浜ハンマーヘッドとクルミッ子ファクトリーでしたが、奇しくもオープンから半年弱が経った2020年4月、コロナ禍が私たちを襲い、クルミッ子ファクトリーのみならず、鎌倉の店舗やテナント店も営業をストップせざるを得なくなり、未知のウイルスから仲間たちやお客様を守るべく、店舗の自主休業や、最終的にはおそらく創業以降初めて全社の操業をストップしました。

その間にもやれることを必死にやろうと心に決めた私たちは、以前からあった通販専門部門を強化し、スピード感を重視して副社長自らが企画部を立ち上げ、それまで育てて来ていたSNSの力を活用しとにかく毎日発信を続けるなど、とにかく会社と働く仲間を守るためにジタバタし続けました。

そのような中でたまたま運よくテレビドラマに登場させて頂く機会をいただいたり、著名な方がラジオで紹介して下さったりなどということも重なり、これらも私たちにとって大きな力となりました。

「心を込めたお菓子とサービスで笑顔と幸せをつくる」という理念を実現すべく、お客様の励みになるにはどうしたらいいかを常に考え行動していくなかで、お客様から励まされているのは実は自分たちであったと私たちは気付かされていきました。
こうしたコロナ禍以降の様々な挑戦や多くの支えを力に、2020年の売上は休業等があったにもかかわらず2019年比の99%と持ちこたえ、2021年は更にその150%と大躍進し、そして2022年はついに年商50億円の壁を突破しました。

ショッピングサイト専門部門の強化や、ショッピングサイトのリニューアル、企画部の立ち上げ、地方催事出店、インスタライブの配信スタート、他ブランドとのコラボ、新商品・新パッケージの開発販売、店舗のスクラップ&ビルドなど。とにかく出来ることはジタバタしながらでもすべてやる。しかしもちろん、現状まだまだ出来ていないことも解決しなくてはいけない課題も山積みです。これから皆さんと一緒に解決していけたら嬉しいです。

経営理念と経営ビジョン

ご紹介してきたような様々な挑戦を成し遂げ、多くの方々に支えていただきながら事業成長を継続することが出来たもうひとつの大きな理由は弊社がどんな時も「経営理念/経営ビジョン」を示し続けていたからだと思います。これらがあることによって進むべき道、目指すべきゴールが明確であり、ゴールに向けてお互いに協力し合い、やろうと思えば誰でも様々な挑戦ができる環境があります。そのおかげで特にこの数年の成長を果たすことが出来ました。

8年前に制定した経営理念「常においしさを追求し続ける/心を込めたお菓子とサービスで笑顔と幸せをつくる」。そして経営ビジョン「《おいしい》の先にある気持ちを一番大切にする」。これらを働く仲間たちに正しく伝え、共感してもらい、そして共鳴し合えるようにするために私たちは毎年「経営計画書」を作成し、「経営計画発表会」を開催しています。
そして、これら私たちの掲げる理念やビジョンに共感/共鳴してくれる新しい仲間たちを探しています。

《2023年経営計画発表会の様子と経営計画書》

私たちが歩むこれからの未来は、社会情勢などが刻一刻と変わる中で、自分たちの力ではどうすることもできない出来事/変化があまりにも多く、今後も前途多難で険しい道のりが続くでしょう。コロナが明けて新しい社会生活は既に始まりつつありますが、同時に新しい変化は既に始まっています。製菓業にとっての課題は集客課題だけでなく、材料費の高騰や材料そのものが入ってこないという生産課題も大きくのしかかるようになりました。人材不足も同じです。

しかし、こうした時代だからこそ経営理念やビジョンを道しるべに、自分たちの信じる道に向かって挑戦し、何かを成し遂げたとき、あるいはその挑戦がうまくいかなかったとしても、仲間と共に切磋琢磨した結果なのであれば、それらは全て未来に繋がる経験になるのです。

労働環境について

商品品質やサービス品質の維持向上を通して経営理念を実現するためには、労働環境もとても重要です。労働環境の改善の目的は「楽をする/させること」ではなく、過度な長時間労働や無駄な残業をなくし、まったくやりがいを感じられない環境を改善して各人が安心して生き生きと働くことができる状態にすることにあります。

もちろんその結果として仕事の効率化が進み、生産性が上り、楽になることになり、それによって生まれた余白を活かして今まで出来なかったことが出来るようになったり、仕事の付加価値が向上するということは素晴らしいことだと考えています。

改善が行われない労働環境の下では仕事の質が下がってしまい、結果的に商品品質とサービス品質も下がってしまいます。商品品質やサービス品質が下がると結果的に売上も下がり、売上が下がれば利益も減り、会社が皆さんの生活を守れなくなってしまいます。

全員がそれぞれの役割に集中し、チームにおいては切磋琢磨しながら役割を果たすことによって成果を出し、自らやりがいを見つけ感じることが出来る環境が重要であり、皆さんがしっかりと成果を出せる環境の提供は経営者の責任と役割です。

私が事業承継をして以降大きな労働環境改善改革を進めてきておりますが、これらもまた、働く仲間たちの理解と協力があってこそ成し遂げることが出来たことばかりです。
しかしもちろんまだまだ改善点はあります。引き続き良好な労働環境の提供と維持・改善に尽力していきます。

また、2019年まで6年間続けていたものの、コロナ禍で開催を見送っていた「誕生日会」の開催も今年から復活します。毎月同じ誕生月の仲間たちで集まりレストランで一緒に楽しい時間を共に過ごします。部署を超えた仲間たちが同じ誕生月という共通点のもとに集まり交流が深まることは、楽しいだけでなく、他部署のことを知ることで刺激を受けたり、視野が広がったり、とても有意義な時間になります。

鎌倉紅谷の未来について

さて、これからの鎌倉紅谷ですが、一昨年頃から再び生産が追い付かない状況となっており、コロナ禍からのリバウンドによる急激な人の戻りにより、昨年一年を通して供給力不足は益々大きな課題となっております。先ずはこの需要増にしっかりと供給力を追い付かせていかなくてはいけません。そのためには幸浦工場と常盤工場、クルミッ子ファクトリーだけでは物理的に難しく、私たちは横浜エリアに比べより広い土地の確保が可能な小田原市に新工場を立ち上げることを決断いたしました。
用地探しから約2年。敷地面積1,500坪。幸浦工場の実に6倍の面積です。最初から全面積を建物に使用するわけではありませんが2025年8月の稼働を目指し、小田原新工場プロジェクトがいよいよ動き出します。

《小田原工場予定地》

「おいしさの追求」はまだまだ道半ばで、お菓子にも、そして鎌倉紅谷にもきっと、そしてもっと、今の私たちですら気付いていない新しい価値や可能性が隠れているはずです。

鎌倉紅谷の美味しさの追求とその未来は、今いる仲間たち、そしてこれから出会う皆さんと共にあります。新たに加わる仲間たちと一緒にお菓子の未来を描いていけるのを楽しみにしています。最後に鎌倉紅谷の経営計画書の最後にいつも書いている一文を添えます。
最後まで読んでくださりありがとうございました。

お菓子屋で
働くということ

お菓子には、人を動かす力があります。
お菓子にはトキメキやワクワクがあります
お菓子はモノのようでモノではありません
お菓子は未来です。お菓子はアートです
お菓子はロマンです。お菓子は幸せ必需品です

私たちお菓子屋の仕事とは…
「誠実な心でお菓子を作り、

感動や喜びなどの良い記憶を
創造すること」

製造・企画部門は「感動を創りだす」
セールス・カフェ・広報部門は
「感動を提供する」
物流部門は「感動を包み、送り出す」
管理・間接部門は「上記部門を支え、
お客様の感動を生み出す一助となる」
これらがお菓子屋で働くこと、
鎌倉紅谷で働くことの本質です

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