早番と遅番のシフト制で勤務しています。早番の場合、まず材料の計量や鍋の準備から始めます。準備が終わったら、朝礼で連絡事項の共有を行い、その後本格的な製造業務に入ります。
あらかじめ1日の仕事の中で担当するポジションが決まっており、例えば今日でしたら、私は午前にキャラメル作り、午後も続けてキャラメル作りとその後、生地伸しを行いました。
午前に生地伸し、午後キャラメル作りを担当される方や、仕込みに入る方もいらっしゃいます。おのおのが朝、自分のポジションを確認した上で業務に入ります。
遅番の時は出勤後、早番の製造業務に合流します。その後材料などの荷受けに対応し、遅番メンバーで朝礼、そして再度製造業務に合流し、早番と遅番が一緒に製造を行います。
17時に全員で夕礼を行い、早番は勤務終了です。遅番の場合は、掃除の続きや事務作業、チーム活動を行い1日が終了します。
私が所属している現場では、〈教育・安全・品質管理・原材料・HACCP(食品安全確保のための衛生管理手法)〉の5つのチームが活動しています。入社後、基本業務を習得後に自分の希望含めリーダーと相談のうえ、配属が決まります。私の場合、まずは大学の学びを活かそうと〈HACCP〉チームに所属しました。その後、直接製品に携わる業務にも興味を持ち、入社して3年ほど経った時に〈品質管理〉チームを兼任、今後は〈品質管理〉チームに絞って活動を行っていく予定です。
まずお鍋を洗ったり、材料を計量したりする〈サポート業務〉から始めます。教育チームの
先輩から指導を受けながら、1週間ほどで覚えていきます。
次は〈生地伸し〉です。底生地と上生地、牛乳塗り、といった工程があるので、1ヶ月~2ヶ月ほどかけて習得していきます。
続いて〈キャラメル作り〉です。まずは半月ほどかけてキャラメル伸し(炊いたキャラメルにクルミを混ぜたものを平らにする作業)を習得し、次にキャラメル炊きを覚えていきます。練り加減や混ぜ方、温度、火の通り具合、色…など、少しの違いで味が変わってしまう工程になりますので、すべての作業ができるようになるまでには2~3ヶ月ほどかかります。
結構気を遣う工程が多いですが、私は〈キャラメル作り〉が一番好きです!
上記の3つの業務ができるようになるまで、約1年かかります。その後、オーブンや仕込みを覚え、1年~2年でクルミッ子作りに関わる全ての工程を習得していきます。
私は駅チカなどの商業施設に足を運ぶことが好きなのですが、その時にパッケージのかわいさに惹かれてお菓子を手に取ったことが、鎌倉紅谷との出会いです。中に入っていたパンフレットを開いたところ、手づくりと書いてあったことがとても印象に残っていました。
もともと何かを作ることが好きだったこともあり、食品製造工場に興味を持ち、中でも現場の監督ではなく実際に自分の手で作ることができる企業を探して、就職活動を行っていました。
手づくりかつ工場、という希望に当てはまる企業が少なかった中で、パンフレットで見た鎌倉紅谷を思い出し改めて調べてみたところ、心を込めて手で作っており、自分で作ったものをお客さまにお届けできることに惹かれ、入社を決めました。
私が配属されている工場は、製造だけで30名弱、包装加工を合わせると50名以上のスタッフが所属しています。年齢層は20代~30代が中心です。
みんな明るく、はつらつとした雰囲気だと思います。挨拶をはじめ、製造中は「後ろ通ります」など声をかけ合う機会も多いのですが、はっきりと声をかけてくれる方が多く、楽しく働きやすい職場です。
一方で、自分の仕事やチーム活動に対しては真剣かつ真面目に向き合うなど、メリハリをつけて働いています。業務の中で気づいた点や疑問点、進行状況などは都度確認し合いながら進めており、先輩に相談しやすい環境です。
今目の前で作っているお菓子に満足することなく、自分で工夫を重ねたり、他の方のやり方を参考にしたりするなど、次に作る時には今よりさらに「おいしいお菓子」を作ることができるように、常により上を目指して取り組むことを大切にしています。
1人で作っているわけではなく、みんなで力を合わせて1つのお菓子を作っているので、周りの状況を把握し、困っている人や元気がなさそうな人がいた時には、積極的に声をかけるようにしています。
他にも、私が働いている工場はガラス越しに製造の様子をご覧いただける環境なので、身だしなみを整えておくことや、周りをきれいに保つことも大切にしています。
熱心にご覧いただいている方や小さなお子様がいらしたら、焼き上がりのクルミッ子を見ていただきやすいように位置を工夫したり、作業の内容が伝わりやすいようにジェスチャーを使って説明したりすることもあります。
直接会話ができるわけではありませんが、喜んでいただいている表情を見ることができると、とっても嬉しい気持ちになります。
よりおいしいお菓子を作るため、自分がやってみたいと思うことを上司に相談した時に、すぐ「やってみようか」と背中を押してくれる環境の中で、実際にやってみたことが成功した時には、大きなやりがいを感じます。
また、お客さまと直接会話はできないものの、ガラス張りになっている工場だからこそ、ジェスチャーなどのコミュニケーションを通して「おいしい!」と思ってくださっていることを感じたり、伝えてくださったりすると本当に嬉しく思います。
鎌倉紅谷の「クルミッ子」は、私たちクラフトマンが1つずつ手仕事で仕上げているのですが、自分の技術を極めながら〈手仕事〉に携わることができているのは、働く中で大きな魅力です。
また、ガラス張りの工場というお客さまから見える環境で働く機会はあまりないと思うので、お客さまが楽しんでくださっている様子を間近に感じながら働けることは貴重な機会だと感じています。小さなお子様が興味津々に私たちの働く姿を見てくれる中で、何か将来のきっかけになるような機会を提供できているといいなと思います。