坂井風太さん対談

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鎌倉紅谷のまごころ経営鎌倉紅谷のまごころ経営

はじめに

事業規模が急速に拡大する時期、後回しにされがちな課題。それが「人の成長」と「組織づくり」です。

数値目標や日々の業務を追うことに精一杯になり、「自分たちの仕事は理念の実現にどうつながっているのか」「お客様にどのように届いているのか」「自分自身はどのように成長しているのか」といった、本来であれば立ち止まって考えるべき問いが後回しになりがちです。

また、「売れている」という忙しさのなかで、知らず知らずのうちに傲慢や慢心が生まれてしまうこともあるかもしれません。

しかし、私たち鎌倉紅谷はそのような状態になってはいけないと考え続けてきました。

売上や数字だけに捉われお客様が見えなくなってしまっているということはないか。組織づくりから目を背けることなく、どう向き合い、どう取り組むべきなのか。人はどのような環境で育ち、組織としての強さはどこから生まれるのか。

そんな問いを抱え、暗中模索と自問自答を続けるなかで出会ったのが株式会社Momentor代表・坂井風太さんのYouTube動画でした。

急成長のなかでも企業文化を育み、組織効力感を高める環境をつくりたい。そんな思いから一度お会いしたいとお伝えしたところ、坂井さんはなんとクルミッ子のファンでいらっしゃいました。またしても鎌倉紅谷のお菓子がご縁をつないでくれたのです。

その後、何度か打ち合わせを重ね、リーダーシップ研修を実施。そしてこのたび、鎌倉紅谷公式サイトの採用ページにて、坂井さん、社長の私、副社長による対談が実現しました。

坂井さんが研修を通して感じた鎌倉紅谷の客観的な印象も交えながら、入社を検討している皆さまに「鎌倉紅谷で働く魅力」をお伝えする今回の対談。

それは単なる採用コンテンツにとどまらず、鎌倉紅谷が大切にしている「まごころ」という価値観を、あらためて深く掘り下げた記録となりました。ぜひ最後までお読みください。


株式会社Momentor
代表取締役

坂井 風太さん

DeNA入社後、事業責任者、子会社代表と並行し、人材育成責任者として、人材育成・マネジメント基盤を構築。体系的かつ実践的な内容が好評を博し、大企業・スタートアップ・国立大学・官公庁など、380社を超える組織にプログラムを提供。『PIVOT』『TBS News Dig』『ReHacQ』など、YouTube動画が累計1000万回再生を突破。

1.クルミッ子との出会い

三人
今日はよろしくお願いします。
風太さん
実は僕、クルミッ子さんのこと昔から知っていたんですよ。なぜかというと、僕が横浜の金沢区が出身地なので、鎌倉紅谷さんの幸浦工場/店舗の近くに住んでいたということと、母が鎌倉で働いたのでよく知っていました。

最初の出会いはたしか2016年ぐらいだったと思うんですけど。僕2016年に妻と結婚しているのですが、その頃まだ鎌倉で働いていた母が結婚したばかりの僕たちに鎌倉のお菓子をということで送ってきてくれたんですよ。それで初めて食べたんです。こんなに美味しいものがあるんだな!という驚きと、なんで知らなかったんだろうと正直思いました。なんかその頃から急に流行り始めた印象がありますね… 10年ぐらい前でしょうか。


副社長
そうですね、2015年に幸浦工場を建てたのでちょうど生産量も増えてきていた頃です。
風太さん
アド街ック天国などTVに登場した影響もありましたか?
副社長
たしかクルミッ子の切り落としを取り上げていただいたこともありましたね。アド街さんは取り上げていただく度に大きな反響をいただいています。
風太さん
クルミッ子とはそこからの付き合いなんですよ。だからずっと鎌倉紅谷さんのことは知っていました。そしてなんと言ってもこの場所はやっぱり最高ですよね!横浜ハンマーヘッドのKurumicco Factory!ここには毎年年始に絶対来るようにしています。お正月は兄も帰ってくるので。まさにこの辺の席が取れると嬉しいんですよね!

2.鎌倉紅谷の魅力の核心「まごころ」とは

風太さん
さて、今日はずっとお伺いしたかったのですが、私が最近ずっと考えていることと、「鎌倉紅谷さんの魅力」には関わりがあるのではないかな?と思っておりまして。私は鎌倉紅谷さんの一番いいところは「まごころ」だと思ったんですよ。
社長
ありがとうございます!
風太さん
これやっぱりお二人とも大事にしている感じですか?
社長
そうですね。「まごころ」というワードが出てきたのは風太さんとの対話の中からだったんですよね。

もともと経営理念に「常においしさを追求し続ける」「心を込めたお菓子とサービスで笑顔と幸せをつくる」という言葉を掲げているので、そういうことはずっと社内で伝え続けていたんですけど。風太さんの研修を受けて、その後のフィードバックの対話の中で、風太さんに「鎌倉紅谷さんのいいところは「まごころ」ですよね!」とおっしゃっていただいて、「あ、そうか!「まごころ」か!」と、ハッとしました。

しかも僕が幼い頃に撮られた本店の写真で、店頭に「まごころのお菓子」って書かれているのが写っているのを思い出したんですよね。

そもそも経営理念を掲げるずっと昔から 「まごころのお菓子」って掲げていた。 風太さんの言葉と、創業者が過去から大切にし続けていたことがつながったというか、「ずっと前から父が言っていたのだな」という腹落ちがありました。

風太さん
「まごごろ」って最後凝縮された言葉で、それが社風やサービス、商品とか、結構いたるところに宿っていて、それらを通して感じることができる。経営計画書の理念のページにも「“おいしい”の先にある気持ちを一番大切にする」って書いてあって、これがまさに「まごころ」的なものだなと思っていたんです。

例えば接客ひとつ取っても、「まごころ」のあるパターンと「まごころ」のないパターンって結構別の接客になるとずっと思っていて。

例えば、お客さんがすごく並んでいるとするじゃないですか。そこで、お菓子を買うときに、「まごころ」がない方って、お客様のことをある意味、捌く対象としてとらえてしまったり、お菓子を作る時とかも「今日は何個作る」っていうようにお菓子を単なる数値で考えてノルマの対象として捉えちゃったりというのが多分「まごころ」がないパターン。

「まごころ」のあるパターンって、今日店舗にお客様が来てくださっている、それはもしかしたらご家族ご親戚の3ヶ月に1回の集まりのために来てらっしゃるかもしれない。もしくはご友人との久しぶりの集まりかもしれない。で、せっかくならいい雰囲気で過ごしたいだろうなって思ったら多分接客の所作って変わると思うんですよ。

ということで、「まごころがあるか、ないか」って、すごく経営というか、現場のマネジメントにとって特に大事だと思っていて、まさに「まごころ」を大事にしているというのは、すごくいいなと思ったんですよね。特に私、理論とか色々扱っているんですけど、理論ってまごころないと全然発動できないですよね。

で、その「まごころ」という文脈が出てきたのが研修での敦子さんの発表だったんです。
発表で人生史を書いていらっしゃって、そこに「ハートトゥハート」って書いてあって、あれってまごころってことじゃないかなって解釈したんですよね。あれ良いですよね。

副社長
私が目指す鎌倉紅谷に来て感じたことと、あと、私たち自身が経営する上で目指しているところが、お菓子を作るだけじゃなくて、そのお菓子を通して心が行き交うところにあるんです。作り手のこちらも思いを込め、お客様の思いもお菓子に寄せて頂いて。そうすると、お菓子を贈られた方や、一緒に召し上がる方もみんな豊かになるというか。

それがあって初めて、お菓子屋として私たちが目指していることが実現されるんじゃないかなって思いますね。

風太さん
でも、それって、言葉で言うのだけは世の中のどの企業さんもお菓子メーカーさんも言っていると思うんですよ。それが鎌倉紅谷さんは何というか、骨身に染みているというか、心の底から出てきているのは何でだと思いますか。
副社長
いろんなお菓子屋さんもあると思うんですけど、皆さんそれぞれ働いている方の多くがお菓子を通しての良い記憶というか、大切にしていたい原体験があるからなんじゃないかなと思うんですよね。私自身もそうなんですけどね。
風太さん
なるほど。それってどういう原体験なんですか?
副社長
一番大きいのが、私おばちゃん子なんですけど、大学で地元の徳島から東京に出て来て、そうするとやっぱり実家に帰る時にお菓子とか買って帰るんですね。東京のお菓子を帰省土産に持って帰ると、「孫が帰ってきてくれた」っていう喜びと、「おいしいお菓子もやって来た」っていう喜びが一緒になって幸せな気持ちになる。

おばあちゃんや家族からすると、「おいしいお菓子を食べられて嬉しい」よりも、そのお菓子が「あっちゃんが帰ってきた象徴」になっていたようで。仏さまにお菓子をお供えしたらそのあとすぐにさげてみんなで楽しく食べるんですけど、お菓子を見ると私のこと、孫が帰ってきたことが思い出されていたようなんです。

だから、なんていうのかな。おばあちゃんに喜んでもらいたいと思って、徳島にないお菓子をこっちは一生懸命見つけて持って帰ろうとも思っていました。

風太さん
いいですね。お菓子が作り出すあたたかい雰囲気のようなものの価値をすごく信じているってことなんでしょうね。

色々腹落ちしたんですけども、やっぱり鎌倉の店舗も、こちらのKurumicco Factoryも、正直、雰囲気作りが異様なこだわりだなと思っているんですよ。やっぱりこの立地も含めてこんなに雰囲気の良い場所って。あんまないじゃないですか

だから結局なんか僕も雰囲気がいいから来ているっていうとこが多分大きいと思うんです。クルミッ子パフェもすごく美味しいですよね。

3.なぜ企業は「まごころ」を失ってしまうのか?

風太さん
でも、これちょっと嫌な質問かもしれないですけれど、私がすごいずっと考えていることでもあるのですが、なんで人って仕事をしてると「まごころ」を失っていくんだと思います?

例えば有井さんのお父さんが看板に「まごころ」って書いていたのはきっと「忘れないで欲しい」からだと思うし、敦子さんが「ハートトゥハート」って書いたのも忘れないようにしたいからだと思うんです。でも多くの企業が「まごころ」を失ってしまうという問題に悩まされている気がするんですけど。それをお二人の仮説では何でだと思いますか?

副社長
売上利益の方だけに気持ちが行っちゃうというか。そこが重視されすぎて、効率ばっかりだとか、生産性ばっかりとか。それも大事なんですけど…。それが一番になっちゃうと、やっぱり「まごころ」って無くなるなーっていうのは思うし。ノルマとかね。
風太さん
売上とか利益とか、ノルマの重力に負けないためにはどういうことが重要なんですか?
副社長
この重力に負けないことが、ある意味経営者の一番の頑張りどころなのかなと思っています。働いてくれているみんなに伝える言葉ひとつ取っても、利益やノルマばかりを前面に押し出し過ぎていたら会社全体がそっちに向いてしまいますし。経営者が何を一番大事にしているのか、経営理念やビジョンを常に判断軸に置いて忘れないようにというのは結構強いかな。
社長
利益やノルマが「目的化」され、そこばかりにベクトルが傾いてしまうと、結果それさえも達成できなくなっていってしまう。以前あるスタッフから「“生活のため”だけが目的になっている人に“働く価値”をどう伝えていったらいいかが難しい」という話を聞いたことがありました。

もちろん「生活」が働く目的になることは決して悪いことではないと思ってはいますし、「こういう生活ができるようになりたい!だから仕事をがんばる!」といったように明確な目標やビジョンがあるなら別なのですが、「生活のため」だけになってしまうと働くモチベーションが上がりにくくなり、改善や課題解決に向けた行動もしにくくなって、成果を出せる機会も減り、結果的により生活が厳しくなっていってしまうのではないかな?と個人的には思います。同じように、利益やノルマが目的化されてしまうと、その達成自体が難しくなってしまう。そうならないためにも「理念」や「ビジョン」は大切なのでしょうね。


風太さん
だから私も「まごころ」がいろんな好循環のサイクルなのだと捉えています。個人の人生においても、「どうせなら自分の仕事で喜んでほしいな」と気持ちを込めて仕事をしていると、結果仕事が面白くなって、意義深くなってくる。その方が成果も出るし、評価もされやすくなって、評価されるとまた嬉しくなる。こうした好循環に入っていけるのではないかと思います。

別にお金のために働くことは全く悪いことではありません。仕事ってそういうものですよね。でも結局それだけに偏ってしまうと結果的に悪循環にどうしても陥ってしまって、自分の仕事を作業的に捉えてしまい、お客様を《記号》として捉えてしまう。その結果、評価がされにくくなったり、同僚の方とうまくいかなくなったり。給料を稼ぐための仕事っていうのは、実は、悪循環に陥ってしまう。

きれいごとではなくリアリズムとして「まごころ」を置いた方が、個人としても、会社としても、長期的に良い関係を築けるんですよね。

だからこそ、御社が「まごころ」を大事にしているのをみるとすごく素敵だし理にかなっていると思うんですよ。御社が伸びたのって結局そういう理由なんじゃないのかなって。数値面だけだとメディアなどではガーッて成長している企業として紹介されがちだけど別に拝金主義的にやっているわけじゃない。

メディアを通して見ていると、鎌倉紅谷の数字的な伸びの動きはとんでもなくビジネス上手の企業だなって見える。でもその一方で、私がすごく覚えているのが、二回目の研修で敦子さんと話していて、「“ヒットするお菓子の法則”って何かあるんですか?」みたいなことを聞いてみたら、すぐに答えは出てこなかったんですよね。でも、あそこで答えがすぐに出てこないのって実はすごく大事な事なんじゃないかと思ったんです。

たしか、時間を置いて出てきたのが「しつこく考えることかな?」だった。私、あれが本質of本質なのだろうなと感じたんです。「しつこく考える」って何だろうな?と考えると、結局「まごころ」に帰着すると思ったんですよ。

「どうしたらこの人が喜んでくれるかな」とか「どうしたら従業員の人がもっと喜んでくれるかな」っていう問いを諦めないこと。「こっちのパッケージの方が家族で食べる時や贈り物にした時に喜んでもらえるかもしれない」とか。

店舗を作る時にも、「こういう店舗にした方がお客様にワクワクしてもらえるかもしれない」とか。結局、ヒットの法則とかも、テクニカルな部分とかがありつつも、ずっとお客様とか従業員の方がどうしたらもっと喜ぶかな?って考える「まごころ」があるから御社はちゃんといい循環に乗っているんじゃないかなって感じました。そのあたりどう思いますか?

社長
経営が日々暗中模索×五里霧中の冒険過ぎて、「どうしたらもっと」と「今できることのベスト」を軸に考える。とにかくそれしかできなかったというのもありました。
副社長
目の前に改善すべき事や、まだまだ会社としてお客様のために出来ていない事があって、さらにそこに自分達のやりたい事もあって。先ずはやれることをやり切ろうと必死でした。数字からの逆算だとか、そんなふうに器用には出来ませんでした。器用にやろうとすればするほど大事なものがおろそかになってしまっていたのかもしれませんし。
風太さん
今の言葉は最高ですね!「器用にやろうとすればするほど大事なものを失う」って、本当にそうだと思います。早く走ろうとしてはいるけど、どこに向かって走っているのかよくわからない状態。それって微妙なんですよね。

さっきの売上とか利益の話も。 急成長させるために早く走ってはいるけど、どこに向かっているのかわかんない経営っていっぱいある気がするんです。

私はそれが「まごころ」を失わせていると考えていて、会社経営をやっていると、つい「急成長した企業」として見られたくなってしまう。
でも「早く走っているけど、どこに向かっているのかわからない」というのは「まごころ」とか「お菓子の価値」というものがない状態で走っているのと同じなんですよね。

社長
本当にそうだなって思います。でもみんなついつい早く走りたくなってしまう。

4.「カッコ悪い経営」をしない

風太さん
そうやって経営者が、なんか早く走りたがっちゃうのってなんでなんですかね。
社長
「見栄」ですかね?他所の経営者の存在とか、競合他社との売上比較とか。メディアなどを通して浮き上がって表面に見えてくる経営者像とか、数値的なものってわかりやすいじゃないですか。その経営者の成功ストーリーとか、売上とか従業員数とか。でもどれだけ本当のファンがいて、お客様に愛されているかって、企業調査とかで簡単に出てくるものではないからわかりにくい。だから売上額とかそっちに意識が行きやすいんじゃないですかね。で、「うちだって!」と、見栄を張って競おうとしてしまう。
風太さん
有井さんがあまりメディアに出たがらないのは出方にこだわっていたり、数字の急成長だけがピックアップされることに対して何か抵抗感を持っているのかなって思ってたんですがどうしてですか?
社長
いや以前は結構出たがっていました(笑)。有名なビジネス番組からのオファーも本当は出たかったけど、品薄などがあるなかで出演しては悪影響になってしまうと泣く泣くお断りしたことも何度かありました。

コンサル会社や行政からセミナー登壇への依頼も何回かはお引き受けしてお話させていただいたことはありましたけど、その度に副社長が不安そうな表情で私を見るわけですよ。
「あなた、調子に乗るんじゃないわよ」みたいな(笑)。

18年も経営者をしているのでたしかに色々な経験があるものの、所詮はいち経営者であって、プロの講師でもコンサルタントでもないわけですが、「登壇」とか「講話」といったワードには何となく特別感があるじゃないですか。「自分はすごい」「自分は特別な存在」と錯覚させてくる魔力がある。

それをプロとして仕事にしている方たちはもちろんいいのですが、僕みたいな民間企業の、ましてやお菓子屋の社長が「登壇」とか「出演」ばかり増えていってしまうと、どっち本業なんだ?みたいになってしまうし、調子に乗りやすくなり、傲慢になるきっかけになってしまうかもしれないです。ですから、まったくお引き受けしないわけではありませんが、かなり慎重ではあります。

最後に登壇させていただいたセミナーでは、「僕は成功の法則も、方程式も持っている訳ではないので、過去の体験談しかできません。そのなかから皆さんの参考になるヒントがあれば幸いです」と前置きをさせてもらいました。「こうすれば絶対にうまくいく!」なんて都合のいい方程式なんてないんです。そんな話をしたら嘘になってしまう。だから「私はこうしてきました」という経験談をお話することで、そこから聞いてくださっている方たちがそれぞれに何かしらの気付きを得てくれたらそれで十分と思いながら話しました。

ましてや弊社は父が美味しいお菓子を最高の経営資源として残してくれていたので、本当に私は幸運でした。だからこそ与えられた資源を最大限活かすためのチャレンジはたくさんしてきましたが、0→1の価値創造はきっともっと大変なのだろうと思います。そこは私には語れない。

風太さん
「まごころ」と「目に見えないものの価値」を大事にすることで、「過去じゃなくて未来を見る」ようになるし、「身を亡ぼすかもしれない経営パターン」を直感的に回避していますよね。

「まごころ」がなくなることに対する恐怖や、見栄を張って売上数字だけに行ってしまうことのデメリット、過去だけを誇ってしまうというものを含めて、鎌倉紅谷さんが多くの経営者が陥ってしまいがちな失敗パターンを全部避けられているのは何でなんですか

副社長
カッコ悪いからかな。
風太さん
カッコ悪さを避けているっていうところがなんかすごい御社というか、お二人の特徴なのだなと思いました。

多分、これは有井さんが音楽好きだからだと思うんですよ。たぶんミュージシャンとかの美学みたいなところを信じていて、カッコ悪いことが嫌いだと思うんです。敦子さんの美学はどこから来ていますか?

副社長
私はたぶんマンガだと思います。所謂『友情』『努力』『勝利』ですね。そこから逸れるとカッコ悪いと感じる。
風太さん
僕は有井さんにお会いして最初のメモで「パンク経営」って書いていたんですよ。 カッコ悪いことを避ける「美学経営」。これが直観的に出来ているのかな。でも「美学」っていうとカッコつけている感じがする。「美学経営」って自分で言っている人は一周回ってカッコつけていますよね。「あそこはダサい」とか、他社を見下しちゃうじゃないですか。そうではなくて、お二人は自分の中での「こういうのはカッコ悪いよな」っていうことをひたすら避けているんだと思うんですよね。

5.経営が歪む3つの理由

風太さん
私が思うにうまくいってない企業のパターンが3つあって、1つ目が「売上とか利益とか、可視化されやすいものの魔力に引かれてしまっている」という点。私が研修やっていても「一番嬉しかったお客様の言葉」とか出てこなかったことがあるんですよ。あと借り物の言葉しゃべっているっていうのも結構わかります。

2つ目が「目に見えないものを大事にできなくなる」。経営管理システムとかって何か目に見えるものを管理するからその方がわかりやすいじゃないですか。だからその檻にみんなが閉じ込められている。

3つ目が「過去を語り始めるパターン」。私もこれずっと避けていて、私の研修プログラムですら毎回内容めちゃくちゃ変えているんですよ。

数字ばっかり追うと顧客のこと考えなくなって、顧客のことを考えないからあまり良い商品が作れなくなって、良い商品が作れないから売上が伸びなくなって…。腹が立ってくるから、また目に見えやすい売上利益を追おうとして、管理を強めて、さらにまた「まごころ」が消えてくみたいな悪循環に陥っている経営がいっぱいある中で、やはり目に見えないものを大事にしないといけないなと思います。

私、水木しげるさんが大好きで、水木しげるさんの『幸せ7か条』ってあるんですけど、そこに、「目に見えないものを大切にする」って書いてあるんですよ。妖怪の話をしているんじゃなくて、可視化の魔力みたいなものに対する懸念を考えているんです。

「可視化の魔力」に憑りつかれると、いつのまにか早く走ることだけに一生懸命になってしまう。それは就活生もそうだなって。市場価値とか、転職価値って意味わからないんですよね、ずっと。市場価値って何だと思いますか?

社長・副社長
どこに行っても通用する自分だけの価値とか?年収って思っている人もいそうだけど。
風太さん
そのパラメーターを追い続けて一体どこに向かうんだろうって。
社長
それを言うと僕の市場価値なんて…。僕が頑張れているのは鎌倉紅谷だからってしか思えない(笑)
風太さん
素敵ですよ!この会社だから!この仲間とだったら頑張れる!って尊くないですか?

6.「やってみないとわからない精神」

風太さん
もうふたつお伺いしたくて、ひとつ目が新しい事に挑戦し続けられるのってどうしてですか?どの会社も「新しいことに挑戦する」って絶対サイトに書くとは思うんですけど。

鎌倉紅谷さんって本当に新しいことに挑戦しているじゃないですか。新しい工場を作って生産を増やそうとか。Kurumicco Factoryもすごく新しい取り組みですよね。でも、それこそ売上とか利益のことを考えたら、そこにつながっているのかよくわからない挑戦ってどの企業でもひとつはあると思うんですよ。それでも新しいことに常に挑戦し続けている。これって何でなのかな?ってずっと思っているんですよ。

社長・副社長
そのほうが楽しいから!
風太さん
なるほどそこにいくのか~!
社長
昔から思っているのは、例えばクルミッ子って毎年のように生産数を増やし続けているわけですが、長い間供給が追い付いてない状態が続いています。これって、きっとあるべき状態にまだまだ届いていないだけなのではないかと思うんです。それと同時にあるべき状態もまた自分たちの力で高めていかなくてはいけない。

そして、あるべき状態に届かせていくためにはやっぱり挑戦を重ね続けてないといけない。まだまだ私たちはこの過程の中にあります。あるべき状態がどういう状態か?といえば、商品が潤沢にお客様のもとに引き届いている状態なわけですが、まだまだそこに向けて、やらなければならないことがいっぱいあるから挑戦をしているのかな。挑戦をやめたらすべてが止まっちゃうから。あとは、あるべき状態のステージを上げていくのも、やっぱり自分たちの力で上げていかないといけないのかなって思っています。

風太さん
でもあるべき状態って、一回満たせたら、普通守りに入ったりするじゃないですか。これは結構ずっと考えていることで、『ひゃくえむ』っていう漫画にすごく印象に残っているセリフがあるんです。財津選手っていう陸上選手が高校生に話をするシーンで、教頭先生が「君たちは将来のことをよく考えた方がいい。そのための参考に財津選手の話を深く聞いてね。世の中を舐めない方がいいよ」といったことを言うんですね。でもその後に財津選手が言ったのが「浅く考えろ、世の中なめろ」という言葉だったんです。さらに「保身に走るな。勝っても攻めろ」と言っていて、なるほどって思ったんです。

でも、そもそもその「保身に走らず、勝っても攻め続けられる人」ってなんでそうできるんだろう?と思うと、きっと楽しいからなんだろうなっていうのが僕の結論だったんです。

陸上ってものすごい競争の世界じゃないですか。でもじゃあその競争の世界で自分がレコードを獲って1位になっている状態は果たして保身なのか?と。主人公は「陸上」というものが「自分を1位にさせてくれるもの」だと思っていたけれど、結局なんで走っているのか?というと、最後にたどり着いたのは「競争も含めて楽しいから」ということに帰着する。

やっぱり「勝っても攻め続けられる人」でさえも彼らが見ているのは、本当は勝ち負けの世界じゃないとこうだと思うんですよ。

「楽しさ」によってずっと挑戦出来ている。だから今、有井さんご夫妻が声を揃えて「楽しいから」って言っていたのすごくいいなと思いました。楽しくなかったら、なんかタワマン買って終わりみたいな風にしちゃうじゃないですか。

副社長
自分も楽しいし、お客様にも楽しんでもらいたいし、仲間たちにも仕事を楽しんでいてもらいたい。わくわくしていたいし、させ続けていたい。自分が楽しいと感じることを「これどう思いますか?」って、商品なりサービスなり、あるいは店舗空間なりを通してご提案することで、「あ、いいね!」って喜んでいただけたら自分も一緒に嬉しいですからね。
風太さん
でも、これって一方で「いい楽しさ」と「悪い楽しさ」ってあると思うんですよ。それって自分たちが楽しいだけになってしまわないかって。「良い楽しさ」と「悪い楽しさ」の違いってあると思いますか ?
副社長
それはありますね。結果が出なかったことや失敗したことを振り返ると、「これ結局自分たちの楽しさだけ、自分たちがいいなって思うことだけを追い求め続けていたな」と後で感じるものなんですよね。終わってみて、「ここ調整しないといけなかったな」と反省する。
風太さん
御社って財務的な基盤とかすごいちゃんと考えるじゃないですか。 経営管理とかもする一方で「やってみないとわかんない精神」があるからなんですかね。
社長
たしかに、「やってみないとわかんない精神」はすごくありますよ。
風太さん
これって「やってみたらわかる精神」って世の中に結構重要視されているのになんで身に付かないのかなって思うんですよ。で、私も直感的には「やればできる」じゃなくて、「やれば分かる」って思っている人間で、それに似たような言葉で言うと「やらない後悔」より「やった後悔」をした方がいいなって思って。

もちろんお金の面もだし、倫理的な面でも結構慎重なんですけど。それを全部計算した上で、全部やったらわかるからいいじゃんて思うわけですよ。

私、過去の体験って絶対学びになると思っているんです。だからどんな経験であろうとも元さえ取れば全部オッケーっていう文脈で形成されているんですけど。過去の経験って、お2人の中ではどのように形成されているんですか?

社長・副社長
うーん。「やってみた結果わかったこと」の蓄積ですかね。だってやってみないとわからないから。

風太さん
二人で初めてやってわかると思った経験って何ですか。
副社長
基本的に全部そうかもしれない。
社長
ブランドリニューアルのパッケージ変えるのも、「やってみないとわからない」だったし、もちろんある程度予想はつく部分もあったけど、「うまくいかないかもしれないことをわざわざやらない方がいい」とか「やめたほうがいい」っていう声も実際あったし。それを押し切ってチャレンジしたのはありましたね。
風太さん
親御さんの教育とか影響していますか?
副社長
母親の影響はあるかな。母親も「やってみないとわからん」っていつもいろいろチャレンジしてたし。自分ももともと、知りたがり屋、やりたがり屋で。おさるのジョージみたいな子どもでしたね。今もだけど(笑)
社長
私の場合は、商売をやっていたということと、父が菓子職人だったっていうのがあるから、そういう意味でずっとチャレンジャーでしたね。
風太さん
確かにお菓子って発明ですもんね。
副社長
大規模なブランドリニューアルを仕掛けた時は、自分たちの会社が時流とずれているな…っていうのがきっかけにあったりもしました。
風太さん
そうなんですか。
副社長
時流ってちょっとずつ変わっていくじゃないですか。色々細かい事でもそうですけど、お客様の興味や、好きなものとか、トレンドとか。それらがうつり変わっていく中で、「あ、ちょっとここずれてる」みたいなのを感じると、合わせるところは合わせるし、越えなきゃいけないなって思うとこは越えなきゃいけない。そうなるともう「やるしかないよね」の積み重ねしかないのかもしれない。放っておいても良くはならないし。

7.老舗企業ほど挑戦している

風太さん
逆に人ってなんで時流を見なくなっちゃうんですか
社長
「これが自分の/うちのこだわりだから」と無意識にとらわれてしまっているからかな?
副社長
変わらない方が楽だから?そこが居心地よければ変えたくないからとかかなぁ。
社長
ここが心理的柔軟性(心の柔らかさ)の重要なところなのかもしれませんね。経営理念は会社の幹であり軸であるわけだけど、その軸を中心に一番大事な会社のコアを守るためにむしろ様々なチャレンジをしている。歴史ある会社さんの本とかを読んで勉強してみると、実は老舗企業ほど色んなことに挑戦している。
風太さん
そうですか!面白い!
社長
たとえば虎屋さんだとかね。創業500年なのに常に新しい挑戦をしている。
副社長
近江八幡のたねやさんやバウムクーヘンのクラブハリエさんとかもね。
風太さん
私、近江八幡のラ・コリーナ三週間前くらいに行きました。
三人
あそこ最高ですよね。
風太さん
大阪で泊まったんですけど。大阪とか京都方面は行き過ぎちゃっているから、近江八幡にしようってなりました。で、せっかく近江八幡まで行くのならラ・コリーナも行こうと。多分僕と同じこと考えて足を運ぶ人も多いんだろうな。すごい地域振興になっていますよね。ものすごい人いましたもん。まさに老舗ほど色んなことやっているんだなって思いました。
社長
老舗企業ってむしろそうなんですよね。色々な挑戦をしていて、だからこそ続いているんだろうなと思います。
風太さん
新進気鋭で終わっているところほど新しいことしてない。
社長
あるいはやれる間もなく終わってしまっているのか。考えてみれば歴史の長い企業ほどいろんなことに直面しているんですよね。飢饉だとか、恐慌だとか、自然災害とか、疫病とか。

「何十年に一回の○○」みたいな危機に何度も直面していて、おそらくそのたびに何かしらの改革をして乗り越えてきているはずなんです。だから繫栄している老舗こそがすべてを物語ってくれている。答えは結局「老舗の姿勢」が教えてくれているのだと思います。


風太さん
根本はお二人の知的謙虚さなんでしょうね。要は老舗の企業から学ぼうと思っているじゃないですか。「よそはよそ、うちはうち」じゃなくて、「なんであの老舗企業ってのび続けているのかな?」と、興味関心を持って、アンテナ立てて学んでいるってところがお二人のよさでしょうし。面白いですね。そのお二人のペア体制っていうのが実は鎌倉紅谷さんにとってとても大事なんだろうなと思いました。
副社長
次に承継する人は困るだろうなって思うんですけどね(笑)。一人でペア状態を築ける人なら最高だし、もちろん次世代もユニット体制でもいいんですけどね。
風太さん
株式会社ゆとりの社長と話すことが多いんですけど、ゆとりくんがずっとメディアに出て目立ってはいますけど実は頼れるナンバーツーがいるんですよ。結局二人でうまく回っている。なんかよく世間では「カリスマ経営者」だけがフォーカスされてしまいがちですが、意外とペア体制で経営やっているところが多い。すごく相性の良い相方を見つけられている人がうまくいっているんじゃないかって思うんですよね。

ただ、それがご夫婦で成立しているっていうのは結構珍しいケースだとは思いますけど。コーエーテクモさんとかも確かそうだった気がします。

社長
私たちの周りには夫婦経営なさっている方たち何組かいますね。

8.社長は歩く経営理念じゃないといけない

風太さん
夫婦経営で「うまくいく・いかない」はなんでしょうか?
社長
役割分担を明確にしておくことは大事だなと思うことは何度かありました。役割が重なるとぶつかってしまうことが時々あります。そういう時は尊重もできなくなってしまっているのだろうなと反省です。
副社長
根っこの価値観は共通していて、同じ方向を向いているけど、その上の役割はそれぞれで任せ合う。私たちは得意不得意が逆なのでちょうどよかったのかもしれません。
社長
役割が重なると「自分の方が正しい!」と、エゴやライバル心が生まれる要因になり、ぶつかるキッカケになってしまうことがあります。お互いの得意・不得意、向き・不向きを把握し、尊重して任せ合えるように役割を明確にしておくことが円満な夫婦経営の秘訣なのだろうと思います。
風太さん
今日はだいぶ経営寄りの話になりましたね。
おふたりは「まごころ経営」を従業員の方たちに向けても発揮されていますか?
「まごころを込めた商品を作りたい」っていう話と、
「まごころを込めて従業員に接したい」って両輪だと思うんですけど、会社側が「お前まごころ込めて作ってんのかよ!」ってなってしまっている場面って、例えばお菓子に限らず、クリエイターの世界でも結構見るし、「お客さんのこと第一に考えてるのかよオラ!」みたいのって営業の世界でも結構あると思うんですよ。
社長
そうなってしまっている人が、結局のところまごころを忘れてしまっているのかもしれませんよね。
副社長
「まごごろ込めてお菓子を作ること」と「まごころ込めて仲間やお客様に接すること」って基本一緒だと思うんです。結局どっちかが欠けちゃうとどっちも成立たない。
社長
まごころが醸成される環境を提供していくのが経営の仕事なんですよね。働く土壌、環境づくりが経営の一番大事なところ。
副社長
そのためには自分たちもまた「まごころ」を忘れていてはいけないし、「まごころ」行動がとれていないといけないわけだしね。
社長
そう。だから理念経営には言動一致性が何より大事。
風太さん
なるほど、だから土壌と環境を作るために自分の心と行動が必要だってことなんですね。自分の心と行動があって、それによって土壌を作って、顧客と従業員が循環して利益がはぐくまれる仕組みづくりをしたいってことだ。

それと、これは内部向けにも大事なことだと思うんですが、特にマネージャーの人にやってほしい行動と、やって欲しくない行動って何ですか?

副社長
「会社はこういう風に考えている」ということを、まずは自分自身にしっかりと落とし込んでもらって、そのうえで自分の言葉で部下や後輩に伝えていって欲しいです。そこで理念のバトンが途絶えちゃうと、会社の考えが正しく全社に浸透していかなくなってしまうので。経営理念の意味を正しく理解して、それぞれが今持っている仕事が経営理念にどうつながっているのかを責任を持って仲間たちに説明できるようになってほしいな。
社長
「マネジメントの仕事と役割は方向付け」って社内ではよく言っています。この方向づけがずれちゃったり、マネージャーたちがチームメンバーたちに対して自分の言葉でなく「上がこう言っているから」などと言いはじめるのは本当に危険だと感じます。正しい方向づけは出来なくなるし、会社が考えている方針なども正しく伝わらなくなっていってしまう。

風太さん研修の最終回で、「社長は歩く経営理念じゃないといけない」という話をしましたが、歩く経営理念は社長だけじゃいけないんだなと今改めて思いました。

たとえば「まごころ」が失われている状態で、お店で「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」って言っていたとしても、「本当にお客様に気持ちを向けているのか?」「そもそも何に対しての「ありがとうございます」なのか?」「本当にお迎えする気持ちで「いらっしゃいませ」と言っているのか?」と思えてしまう。やはり形や言葉だけではダメなんです。

風太さん
このお話は、本当に僕が仕事し始めてから十年で一番今学びでした。
社長
本当ですか?
風太さん
本当です!いや、もちろん色んな人の話を断片的に聞いてきたっていうのはありますけど今日でようやく全部繋がりました。この図です。

「まごころの土壌」手書き
「まごころの土壌」清書版

断片的に「利益を上げるマネジメント」とか、「従業員のピープルマネジメント」とか、「顧客志向」っていうのは何となくつながってはいるけど、断片的に語る人が多いなと思っていましたし、「ここ」(顧客/利益/従業員)のマネジメントじゃなくて、「ここ」(まごころの土壌)のマネジメントが本当は経営者の仕事なんだなって思ったんですよ。

で、「まごころの土壌」を結構強く言っているのがスタバの人とかで、彼らはずっとその話しかしないんですけど、だからスタバは全部つながってるんだなと思いました。「まごころの土壌」が結構抽象度高いから、全部は言われないことがあって、だからこそ社長の「まごころ」とか率先垂範があって、それが土壌を作る。土壌のところで環境の話がありましたけど、お二人の話で全部繋がりました。

副社長
こういう人に来てもらいたいし、シンプルに共感してくれる人に来てもらいたい。

9.経営者の役割は、土壌づくり

風太さん
あと、鎌倉紅谷さん小手先嫌いですよね。思想として感じるのが「目に見えないものを大事にする」「小手先を嫌う」「見栄を嫌う」「よそはよそ」「うちはうち」「芯と自分」「芯は残すけど枝葉は切る(替える)」「柔軟性をもつ」。

まずこの思想を作るための心がいるはずで、個人の経営の心が必要。目に見えないものを大事にする。あと「楽しいから」も大事。だって「まごころ」があれば新しいことに挑戦するもん。

経営システムとしてはペア経営のお話もありましたね。完全な人はいないからお互いに支え合うということ。そして過去は過去、未来は未来というお話もありました。よそはよそと同じ考え方。まさに美学ですね。

社長
そう。究極の自立型成長とはどういうことか?と考えてみると、「勝手に学んで自由に育つ」っていう状態になるのかな。でも、「勝手に学んで自由に育つ」には全体設計がしっかりしていなかったり、環境を作ってあげていないと「放任」ではなく「放置」になってしまう。自由にできる環境を作る努力を経営側がしていることが前提なんですよね。
風太さん
自分の過去のデータベースとつながりました。ゆとりくんも事業を伸ばしているなかで同じことを言っていて、見えないものを大事にしていて、小手先や見栄を嫌っている。「よそはよそ」「楽しい」。うん。リアリティを持って学ぶというか…絶対学ぶんでしょうね。謙虚に学び続けているからこそ、全部できるわけですからね。

だからもうちょっと深いところでいうと、経営者の心としては、自分の心と行動で土壌を作ることが、まず大事なのだと思います。

そうすると「まごころの土壌」が整備され、「顧客・利益・重要員のサイクル」が回っていき、正しいベクトルに向かっていくのだなと。ただし、組織文化は観察と模倣であるので、「歩く経営経理は社長だけじゃない」っていう考えはとても大切だと思いました。

副社長
事業規模が大きくなると、社内にもいろんな考え方の人が増えてきますからね。理念の足並みを揃えていかないといけません。
風太さん
今日のお話、書籍化してもいいんじゃないですか?
副社長
書籍化するとなってしまうと「自分たちは偉業を達成してきた!」と社長が調子に乗ってしまうかもしれませんから(笑)、今のところはお断りをしているんです。やれることを必死にやってきただけなので、そんな偉そうなことも言えません。でも経営計画書のように社内向けの言葉としてまとめるのはありかもしれません。
社長
引退した後だったら考えてみてもいいかもしれませんね。

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